美しいバラが咲き誇る季節ですね。
壁一面に誘引したつるバラを咲かせたり
年に一度、春に一期咲きのオールドローズの開花を楽しんだり
魅力の多いバラは人それぞれに様々な楽しみ方がありますが
仕事、家事、育児、趣味と忙しい日常の限られた時間のなか、自宅の庭でバラを楽しむなら「タイパ」を意識するのも一案です。
バラは「手間のかかる花」の象徴みたいな植物ですが、その華やかさはたった一鉢でも圧倒的な存在感。他の植物と引き立て合い、庭の雰囲気をアップさせてくれます。
ではどうやってなるべくローメンテナンスに、少ない負担でバラを楽しむか?
バラには数多くの園芸品種が存在しますが、その性質は品種ごとに大きく異なります。
春だけ咲く一季咲きや、秋も咲く返り咲き、年に数回開花する四季咲き
大きさも、ミニチュアローズから何メートルも枝を伸ばすつるバラまで
そしてうどんこ病、黒点病などバラが罹りやすい病気に対する耐病性も様々です。
そこで耐病性が強く、秋まで枝がコンパクトにまとまり四季咲き性の強い品種を選ぶことで、少ない手間でも庭で大きなパフォーマンスを期待できます。そう、そのようなバラは、まさにタイパに優れた植物と言えるのではないでしょうか。
バラ苗の価格は一般的に2〜5千円前後。安くはないお値段ですが、四季咲きならシーズンを通して庭を彩り、翌年以降も毎年楽しめる事を考えるとコスパも悪くありません。
今回はローメンテナンスにガーデニングを楽しみたい方が、なるべくラクに簡単に四季咲きバラを楽しむためのポイントや、品種選びで大切にしている点を自分なりにまとめてみたいと思います。
ローメンテナンスにバラを育てる方法
はじめに
少数精鋭に絞る
バラの花は美しく毎年魅力的な新品種が作出されるため、ついコレクションしたくなってしまいます。
こんな事?と思われるかもしれませんが、ローメンテナンスにバラを楽しむ上で大前提になるのは、バラの本数を増やし過ぎないことです。当たり前ですがバラの本数は少ないほど管理がラク。
バラはたった一鉢でも効果絶大なので、優秀な品種を選んで少数精鋭をキープするのが大切かと思います。これが自分を含めバラ好きには難しいのですけどね(>_<)
少ない本数で庭を彩るにはどんな品種を選べば効果的か、実際自宅の庭で育てているバラの画像を交えて紹介していきます。
品種選びのコツ
耐病性の強い品種を選ぶ
バラにはうどんこ病や黒点病といった病気がつきもので、それがバラ栽培に手間がかかる大きな要因になっています。近年では病気に強い品種が多くなっていますが、耐病性の良し悪しは品種により変わってきます。
耐病性の強い品種を選ぶ際に参考になるのがバラ苗専門店「バラの家」さん独自のタイプ分類です。バラの病気への強さをベースに育てやすさごとにタイプ0~4(数字が小さいほど育てやすい)に分類されているので、気になるバラがあれば「(調べたいバラの品種) バラの家」で検索してタイプ分類を知る事ができて便利です。
ここでタイプ0か1じゃないとダメかというと、個人的にはそんな事はないと思います。タイプ2に分類されていてもタイプ1と同じかそれ以上に育てやすいと感じる品種もあり、育てる環境や株の充実具合によっても左右されると感じるからです。タイプ0~2なら合格、3~4は避けるという感じで判断材料にさせて頂いています。
また薬剤散布をせず花の美しさ、連続開花性、耐寒性、耐病性など厳しい審査をクリアした「ADR」認証品種にも優秀なバラが揃っています。
秋までコンパクトな品種を選ぶ
大きくなるつるバラは見ごたえがありますが、剪定・誘引・掃除など一株あるだけで管理の手間が違ってきます。
ローメンテナンスにバラを楽しむなら樹高1.2m程度までのコンパクトな品種を選びたいところですが、バラで意外と困るのが夏以降枝が伸びすぎて暴れたり株の姿が乱れたりしがちだという点。
バラを主に切り花で楽しみたい方にはステムが長く伸びる品種も良いのかもしれませんが、秋まで美しく庭風景の一部になってもらいたい場合は、夏以降もステムが伸びすぎず株のまとまりが良い品種がありがたいです。
うちで育てている品種ではタンタウのバラ「ステファニーグッテンベルク」
イングリッシュローズの「レディエマハミルトン」などが、秋まで枝が伸びすぎずコンパクトな姿を保ってくれます。
四季咲き性の強い品種を選ぶ
広いスペースとたっぷりの時間があれば庭の一角で一季咲きのオールドローズを楽しみたい所ですが、少ない本数でタイパ良く庭を彩るなら年に何度も返り咲いてくれる四季咲き性の強い品種が便利です。
一概に四季咲きと言っても、品種によって返り咲きのサイクルは異なります。
我が家で抜群の返り咲きを見せてくれる品種は、メイアンのバラ「ボレロ」
返り咲きが早く花が絶えないので、玄関先やメインの場所にピッタリのバラです。
四季咲き性の高い品種を選ぶことで、少ない本数でも効率的に庭を彩る事ができます。
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花付きの良い品種や大輪で華やかな品種を選ぶ
一株に多くの花を付ける多花性のバラが咲く姿は見ごたえがあり、一鉢でも庭を華やかにしてくれます。
またはそれほどの多花性ではなくても、大輪で華麗な花を咲かせる品種というのも庭で存在感を発揮します。
花付きの良い多花性のバラには、殿堂入りのバラ「アイスバーグ」
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大輪で華やかな品種にはデルバールのバラ「ローズポンパドゥール」などがあります。
花びらの枚数が少なめでも華やかに見える品種を選ぶ
その圧倒的な美しさでバラ好きなら避けて通れないイングリッシュローズですが、なぜか花持ちが悪くバサッと散りがちですよね。
フルタイムで仕事をする身では掃除もままならないので、イングリッシュローズを選ぶ際は少しでもラクなように花びらの枚数が少なめなのに素敵、という品種を選ぶようにしています。
コロンとしたカップ咲きのイングリッシュローズ「デズデモーナ」は比較的花持ちも良く、花びらが少なくても可愛らしい印象のバラです。
管理のコツ
混植を避ける
バラは植える場所も育てやすさに影響します。
例えば他の植物が密集した中に植えてしまうと蒸れて病気にかかりやすくなったり、手入れが行き届かず害虫の被害にも気付きにくくなります。
我が家でも庭のボーダー部分のメインの場所にバラを混植したことがありますが、そこにはタイプ1の耐病性が強いとされるバラを植えてもうまく育たず諦めた経験があります。
逆に軒下の化粧砂利スペースに独立した植え穴を掘った場所は、陽当り良く雨も当たりづらく土のはねかえりが抑えられるからか、何を植えても良く育ちます。
なるべく風通しの良い場所で、ボーダーの中での混植などは避けて手入れしやすい場所に植えると病気にかかりづらく管理もラクです。
雨土のはねかえりが避けられない場所に地植えする場合は株元をマルチングするなども有効な方法です。
株元に撒くタイプの殺虫剤を活用する
耐病性とはまた別のやっかいな問題で、残念ながらバラは様々な害虫に好まれやすい植物です。時間があれば毎朝バラをパトロールして害虫を取り除くのが地球に優しい方法かもしれませんが、忙しい身ではなかなか、そしてできれば虫に遭いたくなかったり。
かといって噴霧器を使って殺虫剤を散布するのは色々と大変ですよね。
害虫の被害に遭う前に、株元の土に撒いておくタイプの殺虫剤を使うのが楽な方法かと思います。
オルトラン粒剤は樹高1m以下の植物に効果的、2mを超えるような成木では効果が劣るとあり、土に撒くタイプの殺虫剤で対応するためにもコンパクトサイズのバラを選んでおくとラクです。
他の撒くタイプの薬剤と交互にローテーションして使うのも効果的です。
害虫が発生してしまった時やウドンコ病の出始めには、さっと手軽なスプレーが便利です。
今回はタイパ良く庭を彩るため、ローメンテナンスにバラを取り入れるポイントを主に品種選びの観点からまとめてみました。
ご自身が感動するほど美しいと感じたバラの中から、耐病性が強くコンパクトにまとまり、花付き良く返り咲き性が高い品種を選んでみてください。耐病性や春の樹高、返り咲き性などはネットで調べられますし、秋の樹形は実際秋のバラ園へ行ってみたり個人の方がブログであげている写真を拝見するのも参考になります。
本数を増やし過ぎずに少数精鋭で庭を彩れば、少ない手間でバラを楽しむ事ができますよ。
ちなみに自分のいち推しは「ボレロ」
バラに求めるすべての条件をハイレベルでクリアし、そのうえ香りも絶品の優秀ローズです。ぜひお庭の仲間に加えてみてくださいね!
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ボレロは優秀過ぎて度々記事にまとめています。
過去記事はコチラ
ローメンテナンスにバラを育てる【タイパ良いバラ栽培・品種選びのコツ】でした
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