こんばんは、まりもです。
ニューヨークタイムズ紙の「2023年に行くべき52カ所」に盛岡が選ばれたのは記憶に新しいですね。
盛岡は本好きな人の多い街です。世帯当たりの本の購入金額が全国1位になった事もありますが、魅力ある独立系書店やコーヒー店、美しい川沿いの街並みなど日常の暮らしの文化度の高さが評価されたそうで、地元民としては凄く嬉しいことです。
そこで今回は自分でも「これは最高に素敵だ!!」と感じる岩手の工芸品の魅力を紹介したいと思います。
単純にその美しさに惚れ込んで愛用しているのですが、普段の暮らしをちょっと贅沢にしてくれる「浄法寺塗」の漆器です。
浄法寺塗は遡ること平安時代、岩手県二戸市天台寺の僧侶達が食事に使うため自ら作った器が起源とされています。瀬戸内寂聴さんが住職をされていた事でも有名なお寺です。
漆は現在ほとんどが輸入品で、国内産はわずか2%。その希少な国産漆の60%を生産しているのが浄法寺地区なのだそうです。
浄法寺にある「滴生舎」さんには、浄法寺塗の漆器の展示販売を行うショールームと工房があります。ショールームでは実際に様々な作家さんの作品を手に取り、感触を確かめながら選ぶことができます。
webから注文もできますよ。
何の装飾もない塗りの美しさは、どこか艶めかしくも静謐。
指先に触れる滑らかな感触は
ツルツル、さらさらなんですがしっとり感もある不思議な感覚です。
私も以前滴生舎さんで美しい漆器を見て、触れて
「これで毎日お味噌汁を飲めたら幸せだろうな・・」
と思いましたが、家族全員分を揃えるとなると、その場では勇気が出ず(;'∀')
その時は見るだけで帰ったのです。
しかし浄法寺塗の美しさは忘れがたく
ついに一年ちょい前のクリスマス、自分と家族へのプレゼントだ!という事にして買っちゃいました。
滴生舎さんへ再度お邪魔しようかとも思いましたが、何せ道路は冬道で遠いので、まずは盛岡市内で浄法寺塗を扱うお店をいくつか覗いてみると
とてもシックで素敵なお椀があったんです!
それは盛岡市中央通にある「うるみ工芸」さん
お店の方にお話を伺うと、浄法寺塗の職人さんが盛岡に移り住んで始められた工房との事。
お椀のサイズや形も様々あり迷いましたが、端が少し反った、小ぶりで軽めの「百合型汁椀」が自分の小さい手になじみ、見た目も好みでした。
色は「タメ」と「本朱」
朱色も華やかで素敵ですが、全員分シックなタメで統一しました。
一つずつ立派な箱に入れてくれます。
漆器ってデリケートで扱いずらいのでは?と思ってましたが
浄法寺塗はガンガン日常使いできます。
さすがに電子レンジや食洗器は使えませんが、ネットスポンジで洗って、後は水切りカゴで自然乾燥させています。布で拭きあげれば早くツヤが出てきそうですね。
購入した時に頂いたトリセツ。冷蔵庫の横に貼ってるので年季入ってきました(;'∀')
使い始めは表面がマットな質感ですが、徐々に透明感のあるツヤが出てきます。
指先で、唇で触れる感触がいいんです。
毎日のお椀が、これによそうだけで贅沢になる感覚。
高級な漆器は特別な日に使うもの、ではなく浄法寺塗は日常を豊かにしてくれる器。
とても丈夫ですが、欠けたり傷が気になってきたら、塗り直しをしてもらって同じものを使い続けられるのだそう。サステナブルですね。これはもっと早く買えばよかった。
美しく丈夫でずっと使い続けられる浄法寺塗は、結婚祝いにもピッタリの品ではないでしょうか。うちで使っていたら家族も気に入り、知り合いのお祝いに送った所、とても喜ばれたようです。
毎日使えて普段の暮らしを少し贅沢にしてくれる、自分や家族へのお土産にも、誰かへの贈り物にもオススメの漆器。
岩手を訪れたらぜひ見て触れて感じてほしい工芸品、浄法寺塗の紹介でした。
最後までお読みいただきありがとうございます